先日、お客様の「お母さま」とお話をする機会がありました。

 

30年前に某大手ハウスメーカーで家を建てたそうです。
で、30年も住んでいるとあちこちに費用がかかる、ですって。

 

最近は【メンテナンスフリー】の住宅も出てきています。

 

よく見てみると、永久的にメンテナンスフリーの住宅というのはないようで、
10年間メンテナンスフリー、30年間メンテナンスフリーという、時限付きのメンテナンスフリー。
永久にメンテナンスフリーの素材なんて存在しませんよね。

 

実は、永久的にメンテナンスフリーを売りに大ヒットしたメーカーもあります。

 

名前は伏せておきますが、外装材のメーカーで、今も販売されています。
この外装材が劣化しない、汚れない、というのが特徴でした。
ニュースタもお客様に提案する素材として、劣化・汚れないのは最適だと、
一生懸命提案をした記憶があります。

 

結果的に劣化もするし汚れてしまいました。

 

その劣化もし、汚れる外装材はヨーロッパ製です。
なぜ、そのメーカーは劣化しない、汚れないと販売をしていたのでしょうか？

 

正解は「メンテナンス」です。

 

どんな素材もメンテナンスが必要なのです。
そして、メンテナンスをすればどんな素材であっても長く使うことができるのです。

 

想像してください。

 

歩いていると、街中に見かける、木造の住宅。
木を外壁として貼ってあり、それはそれは古そうな住宅です。
木の色は黒くなり、節の部分に穴が開いている場所もあります。
おそらく戦後まもなく建築されて、その後、ロクにメンテナンスもされていなかった。
戦後の資材が不足していた時に建築された、とすれば木材は「杉」の可能性が高いです。

 

ロクにメンテナンスもされていない杉の外装材。

 

戦後、仮に1950年と考えれば、70年以上の時間が経っています。
それでも節の抜けはありますが、よく見れば腐っている場所もありますが、外装として成り立っています。
この木を定期的に塗装していればどうでしょうか？
木は腐ってすぐにダメになってしまう？いや、そんなことはないのです。

塗装もせずにきちんと木として残っている住宅がまだまだたくさんあります。

であれば、これに塗装をすれば、、、それは長持ちする部材ですよね。
塗装された窯業系サイディング（ようぎょうけいさいでぃんぐ）は日本の外装材としてもっともシェアが高く、
70%程度の住宅に外装材として採用されています。

しかしこの窯業系サイディングは塗装により基材を保護していますから、
定期的に塗装（10年に1度が目安）をかけなければ
内部に水が浸透してしまい、その水の凍結により基材が破損してしまいます。
こなると、塗装をすることもできなくなり、外装を張り替えなければならなくなるのです。

 

現代の住宅に使用されている外装材だって10年に1度の塗装が必要なのです。
だったら木の外装材の方がイニシャルコストは窯業系サイディングより安いですからお得な気がします。
また、窯業系サイディングに塗装するのはドロドロの保護用塗料である一方、
木の外装材に使用する塗料はサラリとしたオイル系塗料ですので扱いやすいですよね。

 

+

 

私が子供のころ見ていたアニメ、「トムソーヤの冒険」では、
悪さしたトムが罰として家の外壁の塗装をさせられるシーンが出てきました。
海外では木塀をはじめとして、自宅のメンテナンスを自分でするのは当たり前なのです。

 

映画「グラントリノ」では、クリントイーストウッドが子供に家のメンテナンスを教えます。
日本だと家に全面足場を掛けて塗装をしますが、脚立を掛けてコツコツと家の塗装をしていきます。
親から子へ、大人から子供たちへ、メンテナンスは当たり前だと教えていくのです。

 

日本では戦後の高度経済成長で、大人は仕事に明け暮れるのがステータスになってしまい、
家のメンテナンスをするような大人が激減をしてしまい、子供たちへメンテナンスを伝えていなかったようです。

 

高度経済成長は日本人の「家」に対する価値観を大きく変えてしまった
家とすると最悪の分岐点なのですが、それはまた別の機会に書きます。

 

+

 

家のメンテナンスをすることにより、家は長く、快適に住むことができるようになります。
もちろん壁の中はメンテナンスするのが難しいですので、壁の中の断熱材は良いものを使用すべきなのですが、
外壁や室内の壁、ドア、浴室・キッチンなどは比較的簡単にメンテナンスが可能なものも多いです。

 

働き方改革で働く時間が減った分、みなさんは家で何をされていますか？

 

海外ではこの時間を利用して家のメンテナンスをしています。
大切な資産である家をメンテナンスして長く使っていくことができれば
結果的にメンテナンスとして業者に支払う費用や、業者との打ち合わせにかかる時間を節約でき、
より有意義なコト・モノに費用と時間をかけることが可能となるのです。

 

 

レッツメンテナンス！