『周辺環境に配慮』する建築
― 住まい手と街並みの調和を考える ―
私たちが目指す住まいとは、その土地の環境をしっかりと把握し、周りに配慮した建築をすることです。
それが後に、住まい手の皆さんの心地よさや安らぎに繋がっていくと考えています。
その土地の環境を知ることから始まる
家づくりを始める前に、まずその土地の環境を詳しく調べることが重要です。
– 近くにどのような家が建っているのか
– 太陽はどこから登り、どこに沈んでいくのか(パッシブ的要素)
– 建物がなく、空や山が見える場所はどこにあるのか(視覚的要素)
これらは、**これからその土地で暮らす人の目線で考えたもの**です。
設計者の都合や効率性ではなく、そこに住む人が毎日感じるであろう環境を理解することから、本当の家づくりが始まります。
住む人が心から求めているもの
その土地で暮らす人の立場になって考えてみると、きっとこんな環境で暮らしたいのではないでしょうか。
**近隣の建物を気にすることなく、自然光をたくさん取り入れられる家。**
明るくて暖かい室内で、窓から見える景色は空や樹々といった自然を感じることができる。圧迫感がなく、開放的に暮らせる環境。
そんな心地よい住まいを実現するためには、単に窓を大きくすればよいというわけではありません。土地の特性を活かし、周辺環境との関係を丁寧に読み解く必要があるのです。

周りに配慮した建築の重要性
しかし、住まい手の快適性や心地よさを追求すれば、それで十分というわけではありません。
そこには一人だけで暮らしているわけではなく、**街並みが形成されている**ことがほとんどです。近隣には他の住宅があり、道路があり、時には会社のような大きな建物も存在しています。
このような環境では、周りとの関係性をゼロにすることは不可能です。だからこそ、**自分たちの家が周りからどのように見えているのか**を考えることが大切なのです。

配慮が足りなかったかな?と感じる例
例えば、こんなケースがあります。
隣の家の窓とこちら側の窓を、まるで向き合うように同じ位置に配置してしまうこと。お互いのプライバシーが保てなくなってしまいます。
結果、カーテンをあけて生活することができず、開放的に生活できない。
みなさんも一度は見たことがあると思います。道路沿いに建つ家で、大きな窓にはカーテンレースが締め切られている状況を。

経験から学んだ大切なこと
私は長い間建築業界で住宅を設計し、プロデュースしてきました。
その経験を通して学んだことは、**住む方とその周りで暮らす方の両方に配慮することの大切さ**です。
自分たちだけが快適であればよいという考えではなく、街全体の調和を考えながら家づくりを行う。そうすることで、結果的に住まい手の皆さんにとっても、より豊かで心地よい住環境が生まれるのです。

おわりに
周辺環境に配慮した建築は、決して制約ではありません。
むしろ、その土地の特性を最大限に活かし、住まい手と街並み、両方にとって価値のある住まいをつくるための、創造的なプロセスなのです。
私はみなさんが住みたいと思う街並みを作りたいと思っています。そのためには、それぞれがお互いに配慮をし、街全体で暮らしを作り上げていくことが大切です。
そうすることで、これからも魅力的な場所であり続け、人が集まる街並みになるのではないでしょうか。
代表取締役 白井辰典