「高断熱」という言葉、家づくりを考えていると、よく聞きますよね。
でも「高気密・高断熱の家」と聞いて、どんな家かすぐに思い浮かぶでしょうか?
ニュースタンダードでは、2010年から全棟で高気密・高断熱を実現しています。
そんな私たちだからこそ分かる、高気密・高断熱の家づくりについてご説明します。
なぜ日本の家づくりに高気密・高断熱が求められるようになったのでしょうか?
たとえば現在、高齢化社会において問題となっている「ヒートショック」をご存知ですか?
これは室内で急激な温度変化が生じた際、血圧が急上昇あるいは急降下して、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすという現象です。
特に高齢者の方が、暖かい部屋から寒いお風呂の脱衣場に行き、いきなり熱いお風呂に入ると血圧が変化して、ヒートショックに繋がってしまうことがあります。
高気密・高断熱の家であれば、部屋ごとの気温差が少ないので、このヒートショックを防ぐことができるのです。
つまり、高気密・高断熱の家は、大切な家族の健康を守るための家づくりであると言えます。
日本では2020年までに、50%以上の住宅のZEH標準化を目指しています。
ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、省エネ住宅の基準の一つになっています。
そこで家づくりにおいてはZEH基準を満たすことが大きな目標となっているわけですが、ニュースタンダードではすでにZEH基準を超える家づくりを行っています。
高気密・高断熱の性能を測る値に、「UA値」と「C値」があります。
UA値は断熱性を、C値は気密性を示す値です。UA値が小さければ小さいほど断熱性が高く、C値も小さければ小さいほど気密性が高い家である、というわけです。
UA値とC値は、地域ごとに基準が設けられています。そこで茨城県の基準とニュースタンダードの家の数値を比較すると…
値 | 一般基準 | ZEH基準 | ニュースタンダードの家 |
---|---|---|---|
UA値 | 0.87 | 0.60 | 0.30-0.40前後 ※条件によって異なります。 |
C値 | 5.0 | - | 0.1-0.3前後(最大0.5以下) ※条件によって異なります。 |
ニュースタンダードが建てる家の高気密・高断熱性能は、ZEH基準を大きく上回っていることが分かります。
もちろん、これらの数値は全て計算と検査結果に基づくものです。
お問い合わせいただければ、エビデンスもご提示いたします。
ニュースタンダードの断熱性能が高い理由の一つに、「外断熱」を採用していることが挙げられます。
そこで、外断熱による注文住宅づくりと、それ以外の注文住宅づくりの違いをご紹介します。
板状の断熱材をカットして充填断熱とする場合があります。
この「充填断熱」は2つに分けられます。
一つ目が前述のグラスウールやロックウール、セルロースファイバー、羊毛といった、綿状の断熱材です。綿状ですので柔らかく、自由な形にすることが可能です。この柔らかいところが施工性の良さにつながっていて、狭い場所であっても詰め込むことが容易です。
この綿状断熱材、お布団によく似ています。そう、布団が住宅の壁の中の隙間に詰めてあるのが「充填断熱」なのです。
お布団は時々干しますよね。でも、断熱材は干せません。壁の中の断熱材を干している家は残念ながら見たことがありません。ではどうしているのでしょうか?
室内側に防湿シートを貼り付けます。人間が生活すると大量の水蒸気が発生します。その水蒸気を断熱材に含ませないようにするために、隙間なく防湿シートを壁の裏側に貼り付けるのです。
住宅の壁にはコンセントやスイッチなどの穴が空いていますが、その穴もきちんと防湿シートでふさぎます。さらに梁や桁と柱の接合部は上棟の際にシートを貼っておかなければならないのですが、少なくとも私は見たことがありません。
ニュースタンダードの外断熱は断熱材の継ぎ目に気密テープを施工します。これにより気密が高まり隙間風の少ない住宅になります。
「充填断熱」のもう一つが発泡ウレタンなど、吹付けるタイプです。最近増えてきた吹付けタイプの断熱材ですが、これはとても良い工法です。隙間なく断熱材が注入されるので冷暖房の効率をとても高めることができます。ただし、施工はとても難しく、ムラなく均一に吹き付けられる技術が必要です。
そして、ひとつ大きな問題があります。それが解体時です。
住宅建築時に解体のことを考える方は多くないと思いますが、実は解体時にとても困るのが吹付け断熱。解体時には断熱材と柱(木材)を分別する必要があります。
そうなると、解体業者さんはすべての柱や梁といった木材から断熱材を手作業ではずさなければならないのです。
工法そのものは安価ですが、解体時には手作業で断熱材をはずす費用が大きくかかると考えてください。
断熱材を柱の外側から貼り付けるから隙間なく断熱材を取り付けることができます。
ニュースタンダードの家は「外断熱」が標準仕様となっています。
「充填断熱」で断熱材が入る部分は空洞となっています。ニュースタンダードの「外断熱」は押出発泡スチレンを採用しています。外断熱の断熱材としては吸水率がもっとも低いのが特徴です。
住宅の室内はとても水蒸気が多いので、断熱材の吸水率が高いものは避けたほうが良いです。
断熱材は常に柱などの構造部材と接しており、木材はできるだけ乾燥させたほうが寿命が伸びるからです。
なお、切り花などを購入した時に保水材として切り花の茎を挿しておく部材には、EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)という部材が使われています。つまり、それだけ保水力が高いと言えますよね。
断熱材の厚みが窓カウンターを大きくとります。
吹付け断熱と比較すれば解体時に分別するのは容易ですし、保水力も低いので室内の水蒸気対策も必要ありません。と同時に干す必要もありません。
外断熱の大きな欠点が厚みです。ニュースタンダードの標準仕様は壁に5cm、屋根には10cmの断熱材を設置します。つまり、一般的な住宅と比較して、壁の厚みが5cm(一般的な住宅は15cm、外断熱住宅は20cm)、屋根は10cmの厚さが増えてしまうのです。壁や屋根の厚みが通常の住宅よりも厚いということはデザインが難しいということ。壁や屋根が厚みを増すと、ニュースタンダードの家のようなすっきりとしたデザインがとても難しいのです。
ニュースタンダードの設計スタッフは扱いにくい断熱材の厚みと闘いながら、高い性能を持ちつつデザイン性を高めるための努力をしています。
ハウスダストのない住宅を提供するのが、ニュースタンダードの使命です。
高温多湿の日本において、綿状の断熱材を使う充填断熱工法はリスクが高いと私達は思いました。
干すことのできないお布団がカビないように施工するのは技術的に難易度が高く、きちんとした施工ができていると仮定してもカビやダニの危険は低くないです。
特にアレルギー疾患を持つ方にとってはカビやダニはハウスダストと呼ばれるアレルギーの原因のひとつです。
安息の場所である居室内が、カビ・ダニの養殖所になっているとしたら、眠れませんよね。
アレルギーは日本人の3人に1人を占めます。
アトピーや喘息、花粉症などでお悩みの方が多い中で、こうしたアレルギーの元凶を育ててしまう住宅づくりはできないと、ニュースタンダードでは外断熱専門とさせていただいています。