住宅のデザインには流行があり、色や素材などは
案外と速いスピードで移ろっていきます。
そのデザインを追いかけていくのも良いのですが、
デザインをただ追いかけるのでなく、
「なぜそのデザインが美しいのか」
を追求するのもまたひとつだと僕は思います。
流行にとらわれないデザイン。
それは多くのデザイナーが追求していることなのかもしれません。
なぜ、デザインが必要かと考えればなんとなくわかっていくこと。
デザインしようと考えればデザインすることが難しくなります。
僕達の住宅デザインはお客様との対話から始まります。
「生活」をデザインする、ということも一つの方法ですが、
「人生」をデザインすることも考えなければなりませんよね。
こんなことを書くのも、設計事務所さんからの見積り依頼がきました。
図面にはデザインされた、かっこ良い家があります。
建坪も大きく、ライフスタイルを反映されたプランでした。
でも、建物は鉄筋コンクリートで区切られた間取りです。
将来、家族構成に変化はないのだろうか?
これを建てる家族が必要なくなったら壊してしまうのだろうか?
売買したとして、その家が合う家族構成は長く続くのだろうか?
そんな疑問を感じてしまう固定された間取りでした。
つまり、可変性の少ないライフスタイルを縛ってしまう間取りだったのです。
単純に見た目はとてもかっこいいんですけれどね。
見た目はデザインの中のひとつのファクターです。
他に大切なファクターがたくさんあると思います。
断熱気密というファクターもデザインの中にあります。
バリアフリーも可変性も維持管理性もデザインです。
こういったことをクリアしたものが「スタンダード」だと思います。
住まいのスタンダードはまだまだ不安定で頼りないものです。
僕はこのスタンダードを作り上げていきたいと考えています。
少なくともモリハウジングのスタンダードを。
永遠に愛され続ける住宅のスタンダードを作りたいと考えています。