「家は性能」
というキャッチコピーを持つメーカーさんが住宅の高性能化という常識を作ってくれました。
ニュースタンダードは2002年から高性能住宅を建築しています。
2010年からは高性能住宅”のみ”に特化した家づくりをしていますので、
当然「家は性能」だと思っていますし、実践しています。
しかしながら、性能だけでしょうか?
例えば自動車で考えた時に、燃費が驚くほど良ければ良いのでしょうか?
そう、燃費だけではなく、安全性や運転のしやすさ、視認性も大切ですね。
でも、「性能だけ」なら、色のバリエーションなんて必要ないはずです。
「性能だけ」ではないですよね。
例えばデザイン。流線形が好きな方もいますし、ちょっと角ばった感じが良い方もいる。
レトロな雰囲気やアメリカンクラシックを求める方もいます。
シートは革張り、布張り、ビニール、すべてにメリットとデメリットがあります。
例えば用途。恋人と二人でドライブに行きたい人もいますし、家族連れでキャンプの方もいる。
2シーターのクーペも根強い人気がありますし、大容量はワンボックスやSUVも人気です。
そして、このデザインや用途に応じて性能も若干変える必要があるのです。
流線形より角ばったデザインは空気抵抗が増しますから、電気自動車よりハイブリッドだったり、
2シータークーペとワンボックスは加速性能も変えなければなりません。
つまりそういうことなんです。
住宅を建築する「場所」は一棟一棟で異なります。
同じ条件の土地なんて「絶対にない」のです。
日当たりや風の抜け、隣の家の外壁の色、向かいの家の外壁の色。
それらをどのように取り込んだり遮断するか?が家づくりで大切な要素です。
つまり、プラン集から選ぶ間取りは性能は高いかもしれませんが、それだけなのです。
また、道路と方位は必ず一致しているわけではないですから、南にくるべき窓が南東に配置され、
当然、朝の太陽光線はぜんぶ室内に侵入してしまいますから、夏の過ごしにくさにつながったり、
南側の大きな窓の外は道路で人通りも多いため、常にカーテンを閉め切って生活をするから
太陽の光が期待していたほど入ってこなくなってしまったり、
はたまた車通りの多い車道沿いで、粉塵が多く、汚れが付くのが嫌でシャッターを閉めっきりなんて。
ニュースタは敷地にあった住宅、というのが家づくりのファーストステップです。
お客様の要望もあります。
もちろん要望をないがしろにするわけではありませんが、大切なの敷地に合った間取り。
家族構成やお客様が考えるこれからのライフスタイルに合った間取り。
敷地の条件によって窓の配置や外構の取り方を変えることも重要です。
塀を敷地境界にいれずに、あえて境界の外を作って植栽を配置することだってそういうこと。
自動車は「次」があります。
ライフスタイルが変化したら自動車は乗り換えれば良い。
しかし、家は住み替えるのはなかなかに大変です。
あまり「今」の生活ばかりに捕らわれずに、これからのライフスタイルを見ること。
そして、性能の高さ(=数値)だけでなく、敷地に合った住まいづくりを考える事が重要です。