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メンテナンスフリー

 

住宅建築を計画する時に重要視するのが「コスパ」です。

 

コスパの良い家づくりに必要なのが「メンテナンスコスト」です。
私も住宅業界は長いですので、様々なメンテナンスについて学んできました。
メンテナンスが必要なもの、不要なもの。
これらは住宅の差別化のためにも重要なアイテムです。

 

今回は「外壁」について考えます。

 

日本で新築される住宅のうち、多くの住宅が窯業系(ようぎょうけい)サイディングを貼った外壁です。
新築住宅のおよそ70%が窯業系サイディングとなります。
石を投げれば窯業系サイディングの住宅に当たる、というわけです。

この窯業系サイディング、大きな欠点が「メンテナンスが必要」ということ。

窯業系サイディングは塗装が施されており、この塗装の寿命がおよそ7~10年程度で、
塗装が褪せてしまうと、雨や空気中の湿気がサイディングの基材(きざい)に入り込み、
冬期はこの水分が凍結融解を繰り返しながら基材を劣化させていってしまいます。
継ぎ目にはコーキング(シーリング)材というゴムを入れ、
表面は透水性のない塗装をして、水分から基材を守るのがサイディングのメンテナンスなのです。

 

つまり、10年に一度程度、外壁の継ぎ目のコーキングをやり替えて、
表目の劣化した塗装の上に防水塗装をして、、、費用はおよそ100万円~200万円也。
住宅ローンは10年で終わるわけがないので、ローンを支払いながら100万円以上の費用がかかるのは
負担が大きいわけですから、このメンテナンスが必要ない部材があればうれしいですよね。

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それでも窯業系サイディングは70%のシェアを持っていますが、
差別化の一つの切り口としてタイル外装や金属製外装といったメンテナンスの必要がないものを採用する住宅が増えています。

1.窯業系サイディング
外装材でもっともシェアが高い。
塗り替えが10年程度で必要になり、100万円~200万円程度かかる

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一方で、タイル外装が注目を浴びています。
タイルの表面は陶器(=セラミック)ですので、耐久性が高く、塗装の心配がありません。
陶器はお茶碗やお皿に使われていますので、水を通しませんから冬期の劣化も必要ないです。

光触媒の機能を持たせたタイルもありますので、いつまでも美しいのもメリットですね。

ただ、それであれば多くのハウスメーカーが採用するはずです。
だって、メンテナンスの必要がなく、いつまでも美しいのですから。
ところがタイルの外装を採用しているのは全住宅の3%程度。少なすぎませんか?

理由は費用。

価格が高く、それでなくとも高額の住宅の価格がさらに高くなってしまいます。
しかしながら、その後のメンテナンスコストを考えればトータルでは安くなる、かも。

 

しかし。

 

本当にコストが抑えられるかどうかは分かりません。
たとえばタイルは陶器ですから割れもします。
茨城県内では大型のマンションがどんどん建築されています。
多くのマンションが外装に「タイル」を採用されていますよね。

このタイルですが、確かに塗装は必要ないようです。
建築されてから10年~20年程度経過したマンションも塗装はしていません。
でも、定期的に検査をしていることをご存じでしょうか?

マンション全体にかかる足場にのぼり、タイルの一枚一枚をハンマーでたたいて検査します。
一枚一枚のすべて!をたたいて検査するのですよ。

これはタイルの浮きや割れを調べています。
浮いていれば軽い音、割れていればビビり音が出ます。
タイルが浮いてしまうと、裏側に水分が入り込み、窯業系サイディングと同じように
冬期に凍結融解を繰り返して浮いたタイルをさらに浮かせてしまったり、
裏側のボンドを劣化させたり、下地のサイディングやモルタルを劣化させてしまいます。

割れも同様に背面に水分が入ってしまうとトラブルを引き起こしてしまいますし、
また、割れた小破片が落下すればケガの発生につながってしまう可能性もあります。

 

一枚一枚タイルをたたいて検査をし、割れたり浮いていれば剥がして直さなければならない。
割れたり浮いていたりするタイルと同じものがなければ、そこだけ色が変わってしまう。
背面のボンドはメンテナンスフリーなのでしょうか?下地のサイディングやモルタルのメンテナンスは?

 

そう、わからないのです。

 

完全にメンテナンスの必要がない、絶対に大丈夫なものなど存在しないのです。
そしてタイルのメンテナンスは塗装より楽、とは言い難いです。
窯業系サイディングは10年で塗装が必要になります。
タイルは10年でメンテナンスは必要ないかもしれませんが、

間隔は開きますがメンテナンスのコストはむしろ高まると言えます。

 

窯業系サイディングと比較すれば材料代も人件費も高くなりますからね。

 

メンテナンスの必要ない素材なんてありません。
すべての外装材においてメンテナンスが発生すると思っていた方が良いです。

 

20年前にはメンテナンスの必要がないと言っていたガルバリウム。
10年前にはメンテナンスの必要がないと言っていた漆喰。
どれもこれも程度は違えどメンテナンスは必要です。
間隔が短くて費用が少ない、感覚は長いけれど費用が大きい。差はそんなものです。

 

ちなみに大手メーカーさんは窯業系サイディングのメンテナンス塗装の費用が一般の工務店の倍程度です。

 

その代わり、この塗装工事を行えば長期保証の対象となります。
ね、そういうことなんです。
安いものには良いものは「ありません」。