「家賃並みで」住宅を手に入れよう。
なんて、広告を目にした方も多いはず。
「家賃」にも、ピンキリあると思います。
ちなみに私の息子は大学生、家賃はなんと22,000円也。
ワンルームとは違いますが、ファミリータイプの家賃にも4万円を下回るものから10万円を超えるものまでありますよね。
でも、「家賃並み」の支払いの住宅ローンには注意をしておきたいです。
実はこの「家賃並み」というキャッチコピーはずいぶん前から使われています。
それこそ、コロナを経てモノの値段が高騰するよりずっと前から。
例えばこの、家賃を7万円と仮定します。
35年ローンで考えれば
70,000×420=29,400,000円
土地込みで3千万円弱で手に入れられる住宅。
金利もありますから実際には2.5千万円程度です。
コロナ前も同じキャッチコピーだった、ということは
モノの高騰が言われていますが、価格は上がっていないという事です。
モノの値段が上がる。
住宅で言えば原価が上がるということ。
住宅の価格を構成するのは【原価】+【会社経費】です。
会社の運営には人件費や交通費、光熱費も発生します。
特に光熱費は高騰していますので、【会社経費】は下がることはないのですが、
【会社経費】がコロナ前と変わらないとすれば、
【原価】が高騰しているのに、お客様へ提供する金額が変わらないわけはありません。
つまり、絶対に住宅の価格は上がっていると考えられます。
ところが今もまだ住宅価格は「家賃並み」だという。
【会社経費】が変わらないのなら、【原価】を下げなければ成り立ちませんから、
「家賃並み」をキャッチコピーにしている住宅会社は
【原価】を下げるために、様々な工夫をしていることでしょう。
ただ、品質を下げずに【原価】を下げることは難しいです。
もし、可能だというのであればコロナ前に実施しているはずなのです。
安さをウリにしている住宅会社であれば、原価の見直しは定期的に行っており、
品質を下げずに原価を下げることは使命です。
原価が3割近く上がっている時に、提供価格を変えないということは考えにくい。
つまり、品質が下がっていくことは明らかなのですね。
「家賃並み」で建つ家の品質はどんどん下がり続けます。
そして、その「家賃並み」の「家賃」はどんどん上がります。
原価の高騰がなぜ、家賃と関係するのか?
家賃は、アパートのオーナーからすれば収益です。
今まではこの収益で日用品を購入したり、日々の生活資金としてきます。
ところが日用品をはじめとするモノの値段が上がればどうですか?
家賃が変わらなければ、収入が変わらなければオーナーの収益は
相対的に下がることになります。
つまり、アパートオーナーは現在、減収を続けているということになります。
インフレ手当などが新聞の記事になっていますが、アパートの収益は手当などありません。
アパートオーナーが収入を上げるためには家賃改定しかないのです。
住宅は価格が高騰しているから、一生賃貸に住み続けると考える人もいます。
でも違います。
家賃は安定していないのです。
そう、モノの値段が高騰すれば、家賃も高騰されます。
家賃は住んでいる人(ユーザー)の意図とは関係なく、
アパートの契約更新で改定されてしまうのです。
別のアパート?もアパートオーナーの考えで家賃は変わります。
これから新築されるアパートは原価高騰の煽りで、
家賃は今と同じレベルにはなりません。
きっと高額な家賃設定をされるはずです。
長くなりましたので次回にします。
賃貸か持ち家か?という議論はずっとされてきましたが、
賃貸は安定して生活できる、という考え方は否定されてしまいそうですね。