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最近、YOUTUBEやTIKTOKやら見ていると、広告で「塗装工事をお得に依頼する方法」についてを見かけます。 仕事柄、ムム!って思って広告を見てしまうのですが、どうもこんな事のようです。
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安い地域の塗装工事業者とつながりがある⇒一括で相見積もり⇒もっとも安いところと契約!
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なるほど~、それなら安くなるかもしれませんね。
しかしながら、住宅業界で長年仕事をしている私からすれば「トリック」が見え見えです。
そもそも、この業界に「特別安い」工事なんて存在しません。
時々、「訳アリ」「アウトレット」「特別価格」「決算値引き」なんて言いますが、
多くの場合が原価から考えてみれば、適正価格になっています。
多くの場合、、、、そう、多くの場合。
時々、「特別安い」のもあるかもしれません。
それは、その塗装会社が破綻しかかっている場合。
倒産しそうな会社は、とにかく現金が欲しいので、安くても依頼を受けるかもしれません。
でも、そんな会社に依頼してしまって、本当に倒産してしまったら?
跡から塗装が剥がれてきたら?
そもそも良い塗料を使って、きれいな工事をする会社が倒産しますか?
塗装工事は
塗料+施工費+仮設費+利益
で構成されています。
塗装店に直接依頼した場合を以下のように仮定します。
塗料(100)+施工費(100)+仮設費(100)+利益(100)=400
このうち、安くするためにどこを削減するかというと、、、、塗料なんです。
特に塗装というのはペンキを薄めれば案外広く塗ることが可能です。
でも、これって塗装の耐久性は落ちてしまいますから、結果、塗装サイクルが短くなってしまい
長期間で考えればもっとも高くなってしまうパターンです。
塗料(70)+施工費(100)+仮設費(100)+利益(100)=370
それから人件費、プロに依頼すると高いので、アルバイトなどに依頼すれば安く抑えられます。
また、技術力が足りない職人さんが少し安めに受ける場合もあります。
いずれにしても技術力が低い職人さんの場合は仕上がりが悪いのでこれも後悔する結果となります。
塗料(100)+施工費(70)+仮設費(100)+利益(100)=370
利益を削減する会社は倒産しそうな会社であるか、今後倒産する可能性の高い会社です。
事務スタッフや会社で所有している車両の維持費、社員の労災保険や厚生年金など、
会社を運営していれば発生する経費は多く、ここを削る体質の会社は長持ちしません。
倒産してしまったら、不具合で塗装が剥がれてしまったら誰が責任を持ちますか?
塗料(100)+施工費(100)+仮設費(100)+利益(70)=370
しかもそれぞれシミュレートすれば通常工事(400)に対して(370)ですので、
全体として8%しか値段が安くなっていないのです。
100万円の工事で8万円安くなって、しかもリスクがそれなりに高い。
さて、YOUTUBEの広告で出てくる安い工事はどうなっているのでしょうか?
塗料(100)+施工費(100)+仮設費(100)+利益(70)+利益(50)=420
70の利益は塗装会社。
広告宣伝費がかかりませんので、少し利益を削ることができます。
70は目安ですが、実際にはこんなに下がらないと思います。
50の利益はYOUTUBEで広告している会社の利益。
YOUTUBEにTikTokに、広告費は莫大にかかります。
また、広告会社の営業さんなどの経費も発生します。
ただ、塗装会社は営業しなくてよいので、楽なんですね。
しかし、広告会社の利益も含めば、まっすぐ塗装会社に依頼するより高いのです。
もちろん、依頼する方の考え方によって様々です。
例えば結果的に高くなってしまったとしても相見積もりをした方、
塗装会社とのトラブルの際に助けてくれそうだから広告会社に仲介してもらいたい方。
あなたならどうしますか?