モリハウジングには3人の女性設計士がいます。
今日は水戸市で設計士の講習会。3人のうち2人が受講しています。
この講習会は最低でも3年に1度は受講しなければならないもの。
これ、以前は義務ではなかったようでして・・・・。
原因は「構造計算書偽造問題」、この後で建築士業法が大きく変わりました。
構造計算書偽造問題(こうぞうけいさんしょぎぞうもんだい)は、2005年11月17日に国土交通省が、千葉県にあった建築設計事務所のA元一級建築士が、地震などに対する安全性の計算を記した構造計算書を偽造していたことを公表したことに始まる一連の事件である。耐震偽装問題とも呼ばれる。
一連の耐震偽装事件は発覚当初は耐震強度偽装が組織的ともみられ、建築会社及び経営コンサルタント会社による組織的犯行と当初報道されていたが、公判では「A元一級建築士による“個人犯罪”」と結論づけられた。東京地方裁判所はA元建築士に懲役5年、罰金180万円の実刑判決を言い渡した。
原因はA氏だと言及されていますが、実はもっと根深いところに原因があります。
この事件で耐震偽装をされたのは『マンション』だったのですが、
ここに色々な『欲』が散りばめられています。
建築会社は安く建築して利益を増やしたい欲
複雑な構造、頑丈な柱・梁は費用が嵩むので避けたい思い
委託を受けた設計士(これはA氏ではない)は建築会社の依頼通りの設計をしたい
下請けに対して、簡易な構造、質素は構造で安い建築物に仕上げるよう依頼
さらに下請けだったA氏は依頼された通りの内容、つまり簡易な構造に仕上げたい
大切なクライアント様のご依頼ですから断ることはできない
結果的にA氏はクライアント様の簡易な構造、質素な構造で建築が可能に見えるように
構造計算書を改ざんしてしまったということに感じられます。
これって言い換えれば厳しい上司が部下に飲酒を強要する
その部下は自分ばかり飲まされるのがイヤで後輩に盃を振る
運転手役だった後輩も上司と先輩から飲酒を強要されて断れずに飲んでしまう
最終的に上司と先輩を乗せて飲酒運転で逮捕される。
これって、後輩一人が原因でしょうか?
というわけで、今の建築士法では設計に対する責任の所在をはっきりとさせています。
だから現在の建築士法においては構造計算書偽造問題においてはA氏ではなく、
クライアント様の設計士が責任を負うことになるのです。
+
話しがそれましたが、そんなこんなで今は3年に1度、講習を受けることになっています。
建築士のスキルアップとモラル向上が目的のこの講習、
当社設計士はスキルもモラルも高い方ですが、ますます高めてきてくれるでしょう。
忙しい毎日、一日でも大切なのですが、オフィスを留守にして今日も一日頑張ります!