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今と昔の家づくり

「昔ながらの家づくり」
最近の若い世代は、昔ながらの家づくりを継承しない。
日本の家は先人の知恵の結晶だから大切にすべき。
もちろんそれはそうだと思います。
でも、和室の続きの間があって、ぐるりと廻る廊下と、中廊下があって、障子をあけると大開口なんて家を継承する気はありません。
そもそも「なぜ」そうだったのかが大切なのです。

そもそも木で作る家は柱や梁などの軸材が主です。それらを組みあわせていき、草を斜めに引っ掛けたのが日本の家。その柱や梁の間に壁を作ったり、戸(障子や襖、雨戸)を入れていきます。壁はあとから作るのですが、壁よりも戸の方が汎用性が高いことから壁が極端に少ない日本の家が生まれたのです。
通しの間は、通しの間として作られたのではなく、部屋と部屋の仕切りに襖を使っただけのこと。壁ではなく、襖を入れたからこその通しの間なわけです。
昔の日本はファジーな生活があったと言われます。
部屋をつないだり分けたりして様々なライフスタイルに対応したと言われています。もちろんそれもありますが、それは後から付けた理由だと私は思っています。
「暖房」という部屋の空気を暖める考え方は最近のものです。それまでは火鉢や囲炉裏で表皮を直接暖めていましたから、部屋の仕切りがあろうがなかろうが問題はないのです。むしろ仕切りがきちんと付いていると一酸化炭素中毒や酸欠となります。
そもそも高気密高断熱とは違うのですね。
エアコンなどの空気を暖める「暖房」を採用した時点で、古くからある日本の住宅の考え方とは異なるのです。
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明治初期は海外から様々な文化が入ってきました。
その頃日本では、海外の文化をどんどん取り入れて、今までの自国の文化を捨て始めます。浮世絵はどんどん捨てられ、包装紙に使われたというケースもあったようです。現代において浮世絵が少ないのはそういった背景があるからです。
柔軟に新しい文明を取り入れるのが上手な日本人、今も毎日着物を着ている人は少数です。ところが住まいづくりに関しては今でも高気密高断熱を嫌い、昔ながらの日本家屋にこだわる方も少なくありません。低気密、中気密、中断熱、、、、もちろんそれはそれで良いと思います。考え方、主義思想は皆さん異なりますからね。でも、昔ながらの日本の住宅を再現しつつ、エアコンやファンヒーターといった暖房設備(あくまで表皮を暖める方法こそが古く日本の家の暖のとり方ですからね)を採用し、寒い寒いと設定温度を上げるのは私は違うと思うのですけれど。。。